JACK PURCELL U.S. ORIGINATORを買った!
今回はスニーカーを買ったよ!というお話。
一時期の熱狂も収まり、ここ最近はスニーカーブームもかなり落ち着いてきた印象があります。
最近のトレンドはいわゆるハイプスニーカーと呼ばれるレアなアイテムから、いつでも買える定番の物へとシフトしており、その中で人気モデルとなったアディダス・サンバが今度は買えなくなってしまう、という珍現象も起きています。
偶然にも黒いサンバを履いている人を街で見かけて、「かっこいいな!俺も欲しい!」と思ったタイミングがこのトレンドと被ってしまい、サンバがなかなか買えないという状況を知って落胆した私は、代わりとなる黒のレギュラースニーカーを探すのでありました。
そんな折、コンバースの"U.S. ORIGINATOR"のラインから、大好きなジャックパーセルの黒がリリースされるとのニュースが舞い込んできたのであります…!
リリースから3ヶ月も経ってしまいましたが、ゲットしてまいりました!
実は今回でジャックパーセルは5足目。
やはり安心感があります…。
入り口はもちろん(?)カート・コバーンなのですが、シンプルでありながら、足先のスマイルやヒールパッチのサインなど、一目でそれと分かるデザインが散りばめられているのが好きで、最強のスニーカーのひとつだと思います。
オールスター同様に、色んなコーデに合わせやすいのも魅力的。
シュッとしたオールスターに比べると、ポテっと丸みを帯びたシルエットも程よく間抜けな感じで好みです。
ちなみにU.S ORIGINATORについてザックリ説明すると、アメリカ製のヴィンテージを意識した、インラインより少し高級なラインとなっております。
今回のジャックパーセルにおいては、艶出しをしたラバー(海外製のコンバースみたいな感じですね)や、黒く塗られたミッドソール、専用のヒールパッチが大きな特徴です。
個人的にはミッドソールはいつも通りの白が好みではありますが、黒の面積が増えた事で落ち着いた雰囲気になり、これはこれで大人っぽい印象を演出できてアリだなと思います。
アッパーの生地は、インラインよりもザックリ織られており、雰囲気があります。色は真っ黒ではなく、少しグレー寄りでスミクロっぽい感じ。色落ちによるエイジングを楽しめそうです。
シューレースはコットンの平紐。通常より細いものが採用されており、こちらも昔っぽい雰囲気を醸し出すのに寄与している印象です。
スマートかつ可愛らしい感じも出ていて、イイ感じですね。
足裏のアウトソールは、インラインのものと大差無い気がします。基本モノトーンで構成されているのに、裏側だけ急に水色になるのもジャックパーセルの面白い所だと思います。
インソールにも"U.S. ORIGINATOR"の表記が。写真では伝わらない部分ですが、インラインよりもクッション性の高いインソールになっており、確かに柔らかく、通常のコンバースのスニーカーに比べると、足裏は痛くなりにくいです。
しかし個人的にはこのインソールはそこまでだなと思っていて、柔らかすぎて接地する時の足の位置や方向が不安定になりがちな気がします…。ただ柔らかいだけよりも、ほどよい硬さと反発がある方が良いと思うので、高級ラインで使われるリアクトソールを搭載すれば良かったのではと思うのですが…これもヴィンテージを意識した結果なのでしょうか(笑)。
…と、こんな感じでザッとポイント見てみました!
細かい違いではありますが、コンバース好きやスニーカーに詳しい人が見れば一発で普通のものと違うと分かりますし、実際クオリティもある程度高いものとなっていますので、インラインのジャックパーセルに3千円プラスでこれが手に入るのであれば、なかなか良い買い物だと思います。
インラインの3倍くらいしちゃうアディクトと比べても、コスパはかなり良いのでは…。ここはそれぞれの価値観にはなりますが。
ジャックパーセル以外のモデルもリリースされており、なかなか面白いラインとなっています。いつもと一味違ったスニーカーをお探しの方は、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。
それでは!
藤井風 / LOVE ALL SERVE ALL
確かな歌唱力とクリエイティビティ、それに裏打ちされた、独創性を持ちながらも先人への敬意を感じさせる楽曲、そして持ち前のナイスキャラが人々の心を掴み、一躍時代の寵児となった藤井風。
デビューから2年でアリーナツアーや武道館公演、さらには紅白出場までもを成し遂げ、注目のアーティストという言葉すらも既に置き去りにした印象のある彼が、満を辞して放ったセカンドアルバム。
ディスコミュニケーションや愛憎を歌い、「陰」の要素が強かった前作と比較すると、全体的に「陽」の印象を受けます。それを表すように、ジャケットもモノクロから、柔らかな色合いのものへと移り変わりました。
過去の失敗や後悔などネガティブな要素も歌っていますが、それを踏まえて今を大事にしたり、未来へ向かっていくという歌が多く、聴き手に優しく寄り添い、背中を押してくれる楽曲が多く揃っています。
彼のルーツであるR&Bに、歌謡曲やロックの要素を絡めた雰囲気の曲が多かった前作に比べ、今作はよりストレートにR&Bに寄った曲が多い印象で、特に「ガーデン」のリズム隊の音色とグルーヴにはビリビリ痺れました!
個人的には、生涯の名曲リスト入りをしている「"青春病"」がついにフィジカル化されたのが、本当に嬉しい。
2020年のデビュー以降、コンスタントにリリースを続けてきた彼ですが、今作発表後もホールツアーが決まったり、新曲リリースのアナウンスがされたりと、まだまだ僕たちを楽しませてくれるようで、目が離せません。
日本に藤井風がいてくれてよかった!
Ado / 狂言
「うっせぇわ」で一世を風靡したAdoが、満を辞してリリースした初のフルアルバム。世代的なものや偏見もあり、今まで歌い手やボカロPを一切通って来なかったのですが、あまりにもイイ声なので聴いてみたら…コレ、傑作です。
複数人のボカロPが参加しているだけあり、いかにもボカロな曲もあれば、ロック、アシッドジャズ、J-POP感強めのバラードなど、色んなタイプの楽曲が揃っていて楽しめます。
また、それぞれにミックスや音作りが違うのも面白い。よくよく考えてみれば、楽曲ごとにプロデューサーが違うアーティストって、そんなにいないですよね。 しかもボカロPの場合は、アレンジはもちろん、下手したらミックスやマスタリングといったエンジニアリングもそのまま自分でやっちゃうかもしれず、そうなると、楽曲ごとで音の聴こえ方が相当バラける事になるはずなんですが、全体の音質がしっかりまとまっています。
サブスクで聴いているためクレジット見ておらず細かい事は不明ですが、バラバラな楽曲の音質をまとめるマスタリングエンジニアって、凄いなぁと思いました(笑)。
プラス、やはりAdoの声が持つ強大なパワーが楽曲の質を高めている部分も大いにあると思います。 ちょっと鼻声っぽい声質も面白いし、高音の伸びも綺麗でミックスも上手く、喉を開いて声に丸みを持たせたと思ったら、逆に絞ってがならせる事もできるし、めちゃくちゃ器用な人だなと思いました。
こんだけ色んな事をやると、どれかがあんまり上手くないとか付け焼き刃っぽくなると思うんですが、どれもちゃんと出来てる気がします。とにかくすげー。
一曲一曲のクオリティが高く、非常に密度の高い52分。
ぜひともチェックしてみてください!
Mega Shinnosuke / CULTURE DOG
ついに放たれた、Mega Shinnosuke初のフルアルバム!
打ち込みのリズムトラックを使った曲がちょこちょこあったり、効果音や環境音が散りばめられていたりといった点はベッドルームミュージックやトイポップ的。
手作り感がありながらも、スタジオで作り込んだクオリティの高さも併せ持つ、不思議な音像。非常にクセになります。
主な楽曲のキャラクターは、ブラックミュージックとストレートなロック。
ブラックミュージックでの甘くてメロウな音作りやラップは渋谷系からの影響を感じさせ、ロックでのコードストロークにリフが絡む感じはUSインディ的。
彼のファッションもそうですが、90年代を意識したサウンドになっています。
「お洒落すぎてどうしよう」や「甲州街道をとばして」や過去の楽曲を含め、ネタっぽいタイトルがあったり、歌詞に今どきの口語が多用されていたりすることで歯が浮くような感覚もあったりするのですが、そのオブラートの向こうには、若さ故の享楽やそれに対する後悔、現在の自分から来る焦燥、そして希望と絶望が潜んでいます。
「大変なこともあるけど、楽しいこともあるし、まぁなんとかなるっしょ」といったポーズを取る彼ですが、それは世の中にある様々な逆境に対する強烈な反抗心であり、それこそが彼の持つ揺るぎない信念であると感じます。
柔らかくて硬く、脆くて強い。
そんな印象を与える、とても芸術家気質の強い人だと思います。
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w.o.d. / LIFE IS TOO LONG
荒ぶるサウンドとビート、静と動のコントラスト。90年代オルタナティブやグランジへのリスペクトをビンビンに感じるw.o.d.がドロップした、3枚目のアルバム。
一発録りを採用した、今どき珍しいプリミティブなロック。スリーピースで鳴らされる音の塊が押し寄せてきて最高に気持ちいい。それでいて、汗臭い印象やマニアック過ぎる印象を与えず、あくまでお洒落に、あくまで現在の音楽としてやっているのが素晴らしい。
グランジだけでなく、ブルースやパブロック的なギターがあったり、レッチリやツェッペリンを感じる部分もあり、色んな所から吸収しているな〜と感じます。
ガッツのある演奏や音作りは相変わらずですが、これまでの作品と比べて、今作はよりメロディアスで、かつテクニカルな面も多くなったと感じました。
「モーニング・グローリー」のイントロでのギターは、お手本のようなフレーズでありながら独特のタイム感を持ち、一発でハートを掴まれます。
「煙たい部屋」でのビートルズ「Come Together」を彷彿とさせるベースとドラムは、まるで会話しているかのようで、スローな曲に絶妙なグルーヴ感を生み出しています。
また、"コロナ禍のなか、会いたくても会えない、大切な人の顔を思い浮かべながら作った"というスローナンバー「あらしのよるに」がアルバムのラストを飾り、これまでとは違った一面も覗かせます。
飛躍の一枚だと思います。
ぜひご一聴ください!
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カネコアヤノ / よすが
既に邦楽史に残る傑作との呼び声高く、公演チケットやLPの価格高騰といった現象まで引き起こす程の評価を得た、カネコアヤノが2019年にリリースした前作「燦々」。
力が抜けたオーガニックな音作りのなか、その空気感をギリギリ崩さないレベルでの、絶妙なエレキの歪みやエフェクト。
少女の持つ無邪気さや無防備さを見せたかと思えば、その隙間から時折り覗かせる狂気や危うさにヒヤヒヤさせられる詞。
そして、こちらもまた少女っぽさがありながらも、何かを諦めたような、どこか投げやりにも聴こえる、決して上手いとか美しい部類には入らないけれども、とても魅力的なその歌声。
これらの要素が高い次元で合わさった、極上の一作でした。
あまりにも素晴らしい出来だったため、今作「よすが」のリリースが発表された時、僕の頭に浮かんだのは、期待感よりも「燦々」を超える物は出来ないだろうという思いでした。
しかし僕のそんな思いは杞憂に過ぎませんでした。それどころか前作に匹敵、下手したら超えているのではと思わせる瞬間も多々持った素晴らしい作品、それが今作「よすが」です。
カネコアヤノ、またしても傑作を出してしまいました。
と言っても音楽性は前作と良い意味でほぼ変わらず。ギターのリフやソロが印象的な曲が多くなり、よりロック的なアプローチになったかなという感じ。
「抱擁」でのザ・ラーズ「There She Goes」を思わせるリフや、「爛漫」のアークティック・モンキーズ的なリヴァーブをたっぷりに効かせたファズ、「腕の中でしか眠れない猫のように」での楽しげなスタッカートやソロが特にたまりません。
言葉選びのセンスも良くて、「まるで私が聞き分けの悪い赤子のように」とか、「いけしゃあしゃあと平気なふりをしたい」とか、「お前は知るのか季節の終わりに散る椿の美しさを」とか、強烈なパンチラインがドカドカ出てきます。
柔らかくて温かく、時にピリッとスパイスを効かせた今作の世界に浸かれば、あっという間の40分。
音をがっつり楽しみたい時にも、リラックスしたい時にもイケる良作です。
またしても名盤の風格。
ぜひご一聴ください!
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Lana Del Rey / Chemtrails Over the Country Club
確かな実力者だとは思っていたものの、デビュー作に衝撃を受けて以来いまいちハマらなかったラナ・デル・レイ。
しかしながら、ドリーム・ポップ的だったこれまでの作品とは少し違ったアプローチを持った今作は、非常に深く刺さりました。
古いフィルムカメラで撮った映像を想起させるリヴァーブがかった音像、痛みや傷、退廃を感じさせるダウナーな音の雰囲気や詞の世界観は今作も健在ですが、生の楽器を多用し、その美しいメロディには更に磨きがかかっています。
カントリーやジャズを想起させるアコギやピアノ中心のアレンジや、度々地名が登場する詞や曲名は、アメリカを連想させ、11曲45分というコンパクトさも相まって、MVに登場するような西部の砂漠や海岸沿いを旅する一本のロードムービーを見た気分です。
自伝的な「White Dress」での切なくか細い声から醸し出されるサスペンス的な緊張感や、「Wild at Heart」のバンドアンサンブルと、美しいサビと詩を読むような感涙もののボーカルには、聴くたびに息を呑まされます。
過去作ぜんぶ聴き直さなければと、反省した次第です。
ぜひ、ご一聴ください!
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