Curry on Mars ?

Lana Del Rey / Chemtrails Over the Country Club

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 確かな実力者だとは思っていたものの、デビュー作に衝撃を受けて以来いまいちハマらなかったラナ・デル・レイ
しかしながら、ドリーム・ポップ的だったこれまでの作品とは少し違ったアプローチを持った今作は、非常に深く刺さりました。
古いフィルムカメラで撮った映像を想起させるリヴァーブがかった音像、痛みや傷、退廃を感じさせるダウナーな音の雰囲気や詞の世界観は今作も健在ですが、生の楽器を多用し、その美しいメロディには更に磨きがかかっています。

カントリーやジャズを想起させるアコギやピアノ中心のアレンジや、度々地名が登場する詞や曲名は、アメリカを連想させ、11曲45分というコンパクトさも相まって、MVに登場するような西部の砂漠や海岸沿いを旅する一本のロードムービーを見た気分です。

自伝的な「White Dress」での切なくか細い声から醸し出されるサスペンス的な緊張感や、「Wild at Heart」のバンドアンサンブルと、美しいサビと詩を読むような感涙もののボーカルには、聴くたびに息を呑まされます。 
過去作ぜんぶ聴き直さなければと、反省した次第です。
ぜひ、ご一聴ください!


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